両脚を広げられたまま固定

「わたくし、お会いしたかったんです」

 

「私もですよ。

 

あなたが来てくれて嬉しい」

 

「わたくしのほうこそ、どんなに、この日を待っていたことでしょう」

 

「残った時間はわずかですが、せめてあなたを愉しませてあげましょう」

 

あの方が襖を開けると隣りの部屋に、いつのまにか布団が敷かれていました。

 

抱き上げられて、柔らかい布団に寝かされると、まるで雲の上にいるように肢体がふわふわします。

 

後ろに縛られていた手は、前で縛りなおされていました。

 

横向きに布団に横たわるわたくしの背中側に頭を逆さにして、あの方が横になりました。

 

尻を左右に開かれると、濡れた秘所に器用に動く舌が触れ、わたくしの呼吸を乱してゆくのでございます。

 

なんということでしょうか。

 

もう、二度とお会いすることはかなわないと思っていたあの方から、連絡があったのです。

 

わたくしは、天にも昇る気持ちで待ち合わせの場所へ向かいました。

 

わたくしの姿をみとめると、ついと立ちあがったそのお姿がまた美しくて、うっとりみとれてしまうほどでございました。

 

世間では中年と呼ばれる年齢に差し掛かっていても、いいえ、それだからこその、男の魅力というものを、あなたはご存知でいらっしゃるでしょうか?

 

わたくしは、それを、いやというほど思い知らされたのです。

 

「先日のようなわけにはいかないと申し上げたのを、お忘れではないでしょうね」

 

部屋へ入るなり、耳元でそんな言葉をささやかれたのです。

 

「あの、はい、忘れてなんかいませんわ」

 

命じられるままに、すべての衣服を脱ぎ去ったわたくしの肢体は、ベッドに横たえられました。

 

そのあと、あの方は、信じられないことをわたくしの肢体に……。

 

「我慢できないほど、痛かったら、そう言ってくださいね」

 

口調は優しいのですけれど、手際よくわたくしの肢体を紐で縛ってゆくあの方のお顔は、まるで真剣で、わたくし、少しだけ怖くなりました。

 

柔らかい布の紐は、初めのうちは痛くないのですけれど、すっかり縛り上げられて時間が経つにつれて、どこがどうとはわからないくらいに、皮膚に食い込んでくるようでございました。

 

「ああ、思ったとおりだ」

 

口を塞がれているわたくしは、なにがどう思ったとおりなのか質問することができません。

 

「あなたの、白くてキメの細かい肌には、紅の紐がよく映える。

 

柔らかい肉に食い込んで、思ったとおり、とても美しい」

 

様々な角度からわたくしの肢体を眺めては、ため息をついて、賛美していたあの方が、上着のポケットから小さなカメラを取り出してわたくしに向けました。

 

ああ、およしになってください。

 

こんなはしたない姿を写真に撮られるなんて耐えられませんわ。

 

だって、わたくしの姿といったら、両脚を広げられたまま固定されているんですもの。

 

なにもかも、あの方の前にさらけ出して、後ろの恥ずかしい穴までも、見せてしまっているのです。