下着一枚身につけていない裸体

「綺麗ですよ。

 

もっと、濡れているところをこちらに向けてください。

 

そう、そうです。

 

あぁ、とても綺麗だ」

 

女という名の、淫らなケダモノになってしまったのです。

 

溢れる蜜液でシーツを汚し、縛られた不自由な肢体でのたうちまわりました。

 

早く、わたくしの肢体を、あの方のモノで貫いてほしい。

 

縛られたままで犯されたい。

 

わたくしは、ただの肉のかたまりなのです。

 

遠慮なさらずに、思う存分、嬲ってくださいませ。

 

「では、遠慮なく、そうさせてもらおう」

 

あの方が合図をすると、ベッドの陰に隠れていた知らない男が姿を現わしました。

 

男は顔がわからないように頭からタイツをかぶっていました。

 

それなのに、ああ…、それなのに、身体のほうはなにも身につけていなかったのです。

 

肌の色が浅黒く、筋肉の隆々とした男でした。

 

あの方よりは、年若いように思えるその身体は、ほれぼれするほど見事でございました。

 

下のほうの持ち物も、たいそう立派なモノだったのです。

 

それが、すでに屹立していて、すぐにもわたくしの肢体を貫こうとしておりました。

 

あの方の見ている前で、この男に抱かれるのだわ。

 

わたくしは、恐れよりも期待していたのでございます。

 

見知らぬその男に犯されながら、あの方の姿を目で追っていました。

 

あの方は、相変わらずカメラのシャッターを押しつづけておりました。

 

でも、わたくしは見たのです。

 

あの方は、そうしながらも、ご自身も硬くなっておられたのですよ。

 

わたくしはカメラのレンズを見ました。

 

あの方はレンズを通してわたくしを見ていました。

 

本当に、わたくしを犯したのは、浅黒い肌の筋骨隆々とした男ではないのです。

 

まるで、平安の世に存在していた源氏の君のように美しい、あの方なのでございます。

 

どれくらいの時が過ぎたのでしょう。

 

きっと、いくらも経ってはいないのだわ。

 

そうと、わかっていても、わたくしには永遠に感じたのです。

 

いいえ、そんなのは、まやかしですわ。

 

あの方との、時間が、ほんのわずかだったことを、理性では知っていました。

 

ただ、女の本能が、永遠であってほしいと願っただけのこと。

 

いやらしく蜜をしたたらせているわたくしの秘所に、あの方が顔を埋めていました。

 

和室に敷かれた布団の上に、手首と足首をそれぞれに縛られた不自由な姿で横たわる人妻。

 

それが、わたくしなのです。

 

下着一枚身につけていない裸体を晒して、昼間の明るい部屋で横向きになり、いくぶん膝を曲げた格好で、ずっとこうしている。

 

恥ずかしいなんて思いもしませんでした。

 

やっと、こうして再び巡り会うことが叶ったのですもの。

 

どんな格好をさせられようとも、たとえなにをされたとしたって、あの方が望むことならば……。